合唱の仕事の範囲

皆様 こんにちは。

ジュネーブ大劇場ではモーツァルトのオペラ『皇帝ティートの慈悲』のリハーサルが着々と進んでいます。

コロナの影響からストリーミング放送になってしまいましたが、沢山の公演が中止にされる中、公演がこういう形で形に残るというのは、有難いことだと思っております。

今回のブログでは、ちょっと面白い規則についてお話したいと思います。

このコロナ禍の中、人と人との間に1メートル以上あけなければいけないことから、合唱は16人に絞られ、そのメンバーのみ舞台上に立つことになっていたのですが、立ち稽古が始まる直前に、合唱が舞台に立てなくなりました。

’’舞台俳優が18人乗るから合唱が乗れないので、観客から演技をしてください!’’というのです。

私は、パリオペラ座でも学んだことだったので『ふーん』で終わりましたが、以前の私だったら(そして今でもそう思う)『合唱が俳優の演技すればいいじゃないか』と思っていたと思います。

私はヨーロッパ全ての劇場で合唱を歌ったわけではありませんが、とにかくパリもジュネーブも

『合唱の仕事は歌うことで、過度の演技をすることではない』という規則があります。歌わないシーンで舞台に出る場合や歌いながら踊る場合(踊るって言っても手足動かすくらい)給与手当てがつきます。

それも、どこからどこまでが『過度の演技』の範囲かわからないので、そいう場合は全員で話し合って給与手当てを求めるか求めないかを決定し、それを上に訴えるので結構ややこしいです。

それなら、初めから俳優を非正規雇用で雇ってしまった方が、いざこざがなく楽?笑

なので『俳優を雇うなら、もう給料が出ている私たちが仕事すればいいじゃない!(舞台に長めに居たい!w)』という考えを持つのは、日本人の私くらい・・?笑 あと、私が一番仲良くしているフランス人の同僚も私と同じ意見でした。割と若い世代がこういう考えかな?

私は日本での合唱経験はないので良く分からないのですが、こちらに来て合唱団員の権利主張の強さ?には本当にびっくりします。

日本はどうでしょうか? いつかどなたかと違いについてお話してみたいです。